高齢者の肺炎について

発見しにくい高齢者の肺炎

かつて日本人の死亡原因のトップであった肺炎ですが、戦後から今日までの栄養状態の改善や医療技術の向上によりその数を大きく減らすことに成功しました。
しかし未だに死亡原因の第4位として位置しており、完全になくなった病気というわけではありません。

ほぼ完全に治すことができるようになったはずの肺炎がなぜまだ高い死亡率となっているかというと、それは高齢者が罹患するケースが多く、こじらせてしまうことにより死亡してしまうことが多いためです。

そのため高齢者の健康対策にとって肺炎予防は非常に重要な意味があります。
肺炎という病気は高齢者の病気の象徴的な存在であり、若い時期にはなかった病気のかかり方をするものです。
高齢者の肺炎の一番の特徴はまず発見しづらいということで、急性の場合であっても本人が自覚しないまま進行してしまうことがよくあります。

よくあるケースがそれまで非常に元気だった高齢者が突然に肺炎によって危機的な状況になるというもので、普段健康だからこそなおさら発見が遅くなってしまうということもあるのです。

高齢者の肺炎は咳が出ないものもあり、健康診断などでレントゲンをとってみて初めて肺炎になっていたことがわかったというようなことも珍しくありません。

余病が多く起こるのも高齢者の特徴

肺炎は高齢者の死亡原因のトップであるもう一つの理由が、高齢による臓器機能の弱化の中でも呼吸器は特にその力が衰えやすいということです。

呼吸は生命の維持に欠かせないものであるため、常に外気に呼吸器が触れることになってしまいます。
肺炎の原因はそうした外気中にある細菌なので、体に入り込まれてしまうリスクが高く、免疫力が弱まった肺はあっという間に病気が進行してしまいます。

高齢者肺炎は肺結核と併発することも多く、年齢が高くなっていくほど肺炎や肺結核を患う人の割合は高くなっていきます。
高齢者が大勢集まる介護施設や病院では、一人が感染することでその咳や痰から感染者が増えその場にいる人の多くが感染してしまうケースもあるので流行の時期には特に注意が必要です。

さらに高齢者の場合には一度その病気にかかってしまった場合完全に回復できないということもよくあります。
糖尿病や高血圧などの他の病気のあとにその余病として肺炎や結核が起こったりします。
高齢者においてはこの余病対策も非常に重要で、一度かかった病気は再びかかることが多いということを本人や周囲の人が理解しておく必要があります。

高齢者の肺炎を予防するために最も有効な対策となるのはワクチン接種です。
インフルエンザが流行する時期などに早めのワクチン接種をしておくとシーズン中の罹患率を劇的に下げることができます。